













私はスノーボードが好きで、都心からのアクセスが良い新潟へは、シーズン中には週1ペースで通うなど、越後湯沢を中心によく足を運んでいました。しかし、そこは新潟南部。いくらたくさん行ったことがあるとは言え、正直なところ、新潟の魅力をまだまだ知らないままでした(もちろん越後湯沢も魅力的で大好きですが)。
そんな中、新潟北部にお邪魔する機会に恵まれ、胸を躍らせながら車を走らせていました。どんな場所で、どんな生活、社会が営まれているのか。畑仕事をするための汚れても良い服も持ってきたし、寒さ対策もバッチリ。いざ!

初日は、今年とれたお米や穀物をいただく「新米祭り」に参加させていただきました。美味しい穀物料理をご準備いただき、おにぎりはみんなで握って畳の大広間で美味しくいただきました。私にとっては初めましてな穀物料理の数々から、みんな大好きお漬物、根菜の味噌汁など、あまりに身に染み渡る、繊細かつ彩りのある食卓でした。
穀物や野菜の種類、調理方法などから、どの料理にも十人十色な味わいがありとても貴重な体験でした。私は肉料理が大好物なのですが、いつも食べているパワフル系食事とは全く異なるベクトルを感じました。どの食材も、もちろん関川村生まれ。その土、その季節、気候に合わせて育てあげ調達しているといいます。例えばきのこについては、どんなきのこが、どの場所に自生しているのか、その時々に合わせて地図のない山々からいただいているとのことでした。
自然に身を置き、その循環に倣って食材をいただくこと。自給自足とはなんたるか、ぼやけたイメージしか持っていませんでしたが、この地で生活を営む人々が代々学び、受け継いできた知恵をお裾分けいただき、少し理解できたような気がしました。

年末年始に神棚や玄関口に飾られることの多いしめ縄。実際に藁の状態から作ってみると想像以上に難しく、みんなで試行錯誤しながら実践しました。まずは藁をたたき、柔らかくします。角材の上に藁をおいてずらしながら、回しながらビール瓶でたたき続けます。なんだか、今年もいろんなことがありましたが、これでどんな鬱憤も晴らせそうです。ちなみにビール瓶はすでに空になっているものをご用意いただきました。

ある程度藁が柔らかくなってきたら、藁を二等分してねじりながら、均等な太さになるように編んでいきます。これが想像以上に難しく各々個性的な形が出来上がっていきました。一緒にお邪魔したメンバーの中で、幼い頃に教わりながら実際に編んだことのある人がいまして、彼女の編むしめ縄はとっても綺麗でした。
これだけ難しいのだから、大きなお寺のとっても太いしめ縄はどれだけ高難易度の技をなしているのでしょうか?!なんてことも考えられるような時間でした。
2日目は実際に畑に足を運び、大根の収穫、出荷準備、天日干しをお手伝いさせていただきました。畑にはたくさんの大根が顔を出していて、まだ細身のものからすっかり身を乗り出しているものまで多種多様。大島さんに収穫の方法を教えていただきながら慎重に進めました。

普段都心で暮らしていると、すべての野菜、根菜がこうして畑で育ち、土や水などその土地の恩恵を受けながら立派に育ってきたことを忘れてしまいがちです。
いや〜すごいなあとしみじみ。それがどんな言葉、感情なのか最初はまとまっていませんでしたが今振り返ってみると関心するとかそういうものより「感謝・ありがたみ」が、その時の私の感情に最も近い言葉だと思います。生態系サービスはもちろんのこと、それを育て上げ、収穫し届けてくれる方々がいるのです。本当にありがとうございます。

まだ土をまとった大根を水で洗い、出荷されない比較的小ぶりなものを天日干しします。その方法はいたってシンプル...ですが、ちょっとしたコツが必要です。まずは同じくらいのサイズ、重さであると思われる大根を1ペア見つけ出します。そして5,6本の藁を手に取り、これでうまく大根の葉の部分を縛って、吊り下げられるようにします。一連の作業は、ほとんどの人が初めての体験でしたがそのうち自然と「水洗い担当」「ペアの大根見つける担当」「藁を柔らかくする担当」「2つの大根の葉を縛る担当」「干す担当」など役割分担がなされていき日が沈む前に終えることができました。
土が洗い流され、差し込む西陽に照らされる大根はキラキラしていてとっても綺麗で美しく見えました。そう見えたのも、関川村の暮らしにお邪魔し色々なことを体感することができたからだと思っています。
割れてしまっていたり、又分かれしてしまっている大根は売り物にはならないとのことでしたが、ひとかじりしてみると、とっても甘く、美味しかったです。さらに何本かお裾分けをいただきまして、東京に帰ってからも美味しくいただきました。

またひとつ、日本の、新潟の魅力を知ることができました。
そして何より感じられたのは、穀物、根菜、野菜、自然やその土地、水が与えてくれる豊かでかけがえのない恩恵。それらに倣って暮らす方々の生活や想い。
現地にお邪魔したくさんのことを学ばせていただきました。
ありがとうございました。


