LTJの事務局長篠原が罠ブラザーズさんと初めて出会ったのも同じMIDORI.so。
生まれて初めて他の生き物のお肉を食べるために脚から解体するという体験をしました。その鹿を山から獲ってきた猟師の川端さんを目の前にして、心をこめて「いただきます」をして口にした鹿肉の格別な美味しさと、感謝の気持ちと、シンプルにとっても楽しく和やかな良い雰囲気(いわゆるGood vibes)に完全に心を撃ち抜かれ、絶対にSEAMESとしてコラボレーションをしたい!と心に決めたのが昨年でした。
イベントの2日前7月20日には、RE:PODS企画として長野県上田市に訪れSEAMESの罠を仕掛ける体験と罠ブラザーズの御三方へのインタビューを実施した動画も公開されました。皆さんの活動の場や様子、考え方を詳しく見て聞いてみたい方はぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=h1OtW7Tylq4
今回のイベントは、普段から年に数回都内で会員の「ブラザー」向けに開催している食事会とLong Table Japan企画を合体させる形での開催となりました。ブラザーにとっては、いつもとはちょっと違うメンバーと企画内容、ブラザーではない初参加の人にとってはブラザーや罠ブラさんと出会う機会として楽しんでいただくべく対話や交流が生まれる設計にしました。写真の通り大皿でお料理を用意いただいて同じテーブルの人と分け合う設計にしたことと、罠ブラザーズさんからの獣害の現状やいただいた鹿の個体情報・最後の様子をご共有いただいたことでテーブルを囲みながら自然と様々な会話が飛び交っていたように思います。
罠ブラザーズの皆さんは、それぞれ別の活動もありつつも長野県を拠点に、獣害問題に向き合って、罠猟という方法で鹿をとっています。長野県では7億円近い農林被害がでており、その約3割は鹿が原因と言われています。そのため鹿の量を減らすことが必要なのですが、捕獲された鹿肉の食肉利用が20%程度にとどまるという、見方によっては「命が無駄にされている」とも言える現状もあります。
そんな中、鹿への痛みや負担、猟を行なうメンバーへの負担、提供する鹿肉の品質のバランスを考えた結果、現在は罠猟という方法を選択しているとのこと。何がベストなのかを模索中でもあるという川端さん。
罠ブラザーズさんは、鹿猟への向き合い方や根本の考え方が結構バラバラ(と側からは思える)メンバーが、都度都度対話をしながら、ベストを模索して活動されている印象があり、そんな部分もとっても素敵だなと思う人たちです。
イベントでも実際に鹿肉をいただく前に、鹿肉の裏側にあるストーリーを川端さんから共有いただき、これから食べるものやそこに関わった人たちに思いを馳せて、みんなで美味しくいただきました。
当日の様子は文字で説明するより、イベントの様子をみていただいた方が、good vibesが伝わるかと思いますので、写真多めのレポートでお送りしたいと思います!
MIDORI.so さんのご協力もあり、室内にある様々な形のテーブルを連結して作ったロングテーブル。テーブルには、罠ブラさんと一緒にご活動されているあっこさんの素敵な植物や珍しいお野菜たちが並べられて、「お肉美味しい!」「とりましょうか?」「なんのお野菜だろうこれ?」など食べ物を起点にニコニコと初対面同士でもコミュニケーション。
罠ブラザースのだいきさんからは「個人的な感想として、食事会ってどうしても一人で喋らずにじっとしてる人が生まれがちかなと思うのですが、Long Tableさんのイベントではそういう方が居なかったのが、とても印象的でした!我々の食事会でも、ぜひそういう状況を目指したいと思いました。」と言っていただきました。
会話のきっかけに、と思って用意した対話カードも必要ないほど盛り上がっていました。
今回、快く共催をOKしてくださった罠ブラザーズの皆さん、会場を提供くださったMIDORI.so さん、集まってくださった皆さん、当日のてんやわんや運営をいつものように楽しみながらお手伝いくださったLTJの皆さんに心より感謝です。
世代もお仕事も性別も出身も様々なメンバーが集まって、美味しい鹿肉を、感じ考えながらいただく時間になったのではないでしょうか。
みんなでおいしく「いただきました!」
p.s. もうすでにもう一回やりたい!
(Text: Minami Shinohara)