コロナ禍であった当時、頻繁に参加していたオンラインイベントの中で知った”環境のためのミートフリー”という手段に、地球温暖化への解決策として大きな可能性を感じたこと。
これらのきっかけから、環境教育の一環として、無理のない週一回や月一回のミートフリー給食の実現に大きな興味をもち、挑戦したいと強く思いました。
SPINZは、公募で集まったアイデアを持つ学生とZ世代の芸能人がチームを組んで、3ヶ月間、社会課題解決に本気で取り組むというとてもユニークな番組でした。ただ自分自身がミートフリー給食を実現したという結果だけを発信するのではなく、一筋縄ではいかない裏側の過程を、密着で発信するというところが、一番の魅力であったと感じています。
限られた時間の中での撮影は、芸能人のチームメイト・カメラマン・スタッフとの日程調整などが難航し、大変なところもありました。しかし、Linaさん、そのしゅんさん、Mikaさんそれぞれが空き時間で撮影に協力してくださったのが大きな支えでした。頼り甲斐のある年上のチームメンバーに支えられました。
優勝発表の時は、チームみんなで大変驚きました。ガムシャラに”ミートフリー給食の実現”という目標に向かって活動した結果、優勝をいただけたと思います。
3ヶ月以内での実施はできませんでしたが、最終発表の1ヶ月後に、母校の小学校にて、東京23区内初のミートフリー給食を実現できたのは、大変嬉しかったですし、これまでにない達成感を感じました。子供達が、美味しいと喜んで食べてくれていた姿が特に印象的でした。
優勝賞金25万円を使い、東北地方でトップ3に入る、青森県三沢市の大畜産農家のもとでインターンをさせていただきました。昼間は、養豚場の現場で修行し、夜は会社の社長・会長のご自宅でご飯を食べながら、畜産業界の経営面での話を伺いました。
ミートフリー給食という、畜産業界に大きな負担を強いるプロジェクトをやる中で、環境保全と反対の立場にある畜産農家さんの現場の実情や、努力、大変さを知らないまま活動し続けることに疑問を覚えました。そこで実際に現場を自分の目で見たいと思い、行かせていただきました。
現場においては、先輩農家さんの、畜産農家としてのプライドや情熱、優しさを肌で実感し、経営陣の方からは環境負荷のために行っている取り組みや、コスト面での葛藤など生の経験をお聞きすることができ、自分の人生においてとても貴重な学びでした。
自分自身は将来、農業や環境に強い国際公務員になりたいと考えています。この高校生時代の学びを通して、環境保護政策と経済政策のバランスの重要性を強く意識してキャリアを進めていきたいと強く思うようになりました。
現場での実習経験が豊富な北海道大学農学部で、地の利を活かして、現場の気持ちのわかる行政官になれるようこれからも精進していきたいと思います。
(Text: Yuta Saito)